[男優]　ドン・アメチー　Don Ameche

ドン・アメチー
Don Ameche

1908年5月31日、アメリカ・ウィスコンシン・ケノーシャ生まれ。
1993年12月6日、アメリカ・アリゾナ・スコッツデールで死去（前立腺がん）。享年85歳。
本名ドミニク・フェリックス・アメチー。
28歳でスクリーン・デビュー。
1930～40年代に映画やラジオで活躍し、スターの座を極めた。
しばらくして「大逆転」や「コクーン」等で、愛すべき老人で人気を復活させた。

ドン・アメチーは、アメリカの俳優で、ラジオ、映画、テレビ、舞台など多岐にわたるエンターテインメントの分野で活躍した。彼は、1930年代から1940年代にかけて、ハリウッドのゴールデンエイジにおける主要なスターの一人として知られ、特にコメディとドラマの両方での成功が際立っていた。

ドン・アメチーは大学で法学を学ぶ予定だったが、演技に興味を持ち、芝居に転身した。1930年代初頭、ラジオドラマでの成功を経て、映画界に進出した。1935年に20世紀フォックスと契約し、すぐに多くの映画に出演するようになった。彼のエレガントで知的なイメージと、温かみのある声は、多くの観客に愛された。

彼の代表作には、1938年の「シカゴ」や1939年の伝記映画「科学者ベル」でアレクサンダー・グラハム・ベルを演じた役などがある。1940年代には「天国は待ってくれる」での演技が評価され、コメディ俳優としても確固たる地位を築いた。

彼のキャリアは1950年代に一度低迷したが、1980年代に再び注目を浴びた。1983年の「大逆転」では、悪役を演じ、その演技が絶賛された。また、「コクーン」では、年老いたキャラクターを生き生きと演じ、アカデミー助演男優賞を受賞した。これにより、彼のキャリアは新たなピークを迎え、晩年まで活躍を続けた。

ドン・アメチーは、その魅力的な声でラジオでも非常に人気があり、1940年代には「Don Ameche」という名が「電話」を指すスラングとして使われるほど、アレクサンダー・グラハム・ベルの役柄で強く認識されていた。

彼はフランク・シナトラやベティ・グレイブルといった当時の大物俳優たちと共演しており、彼の幅広い演技力がさまざまなジャンルの映画で発揮された。

彼は長年、フレッド・アステアと混同されることが多かったが、実際には彼自身のダンスのスキルも非常に高かった。

ドン・アメチーは一般的に非常に紳士的で好感度の高い人物として知られていたが、いくつかのゴシップも存在した。例えば、彼の映画キャリアが低迷していた1950年代、彼が家庭内でのトラブルやアルコール依存症に苦しんでいたという噂があった。これが彼の一時的なキャリアの低迷に繋がったのではないかと言われている。

また、彼は非常にプライベートな人物であり、家族との関係を公にすることはほとんどなかったが、彼の結婚生活が順風満帆であったとは限らないという噂もあった。彼は一度も離婚することなく結婚生活を全うしたが、ハリウッドの厳しい生活の中で、妻と家族との関係を維持することに苦労した時期もあったと言われている。

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