ジャン・ルノワール
Jean Renoir
1894年9月15日、フランス・パリ・モンマルトル生まれ。
1979年2月12日、アメリカ・カリフォルニア・ロサンゼルス・ビヴァリーヒルズで死去(心臓発作)。享年84歳。
身長180cm。
印象派画家オーギュスト・ルノワールの次男。
30歳の頃映画監督デビュー。
製作・脚本・出演を兼ねる、サイレント時代からトーキー時代への変遷期に名作を数多く残した巨匠。
監督助手としてジャック・ベッケル、ルキノ・ヴィスコンティらがいた。
ジャン・ルノワールは、フランスの映画監督、脚本家、俳優、プロデューサーで、映画史において最も重要な人物の一人。彼は、印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子であり、その影響を受けつつも、独自の映画スタイルを確立した。
ルノワールは、1920年代に映画業界に入り、初期はサイレント映画を中心に活動した。彼の作品には、人生の複雑さや人間性をリアルに描く要素が多く見られる。1930年代に入ると、『大いなる幻影』や『ゲームの規則』といった作品で国際的な評価を得た。これらの作品は、戦争と人間の状況を深く掘り下げたもので、フランス映画史上でも屈指の名作とされている。
第二次世界大戦中、彼はアメリカに移住し、ハリウッドでいくつかの作品を制作。『南部の人』などが代表作だが、フランスでの作品ほどの成功は収められなかった。戦後は再びフランスに戻り、ヨーロッパの歴史や文化を描いた作品を手がけるようになった。
彼は、現実主義的なアプローチとともに、俳優たちに即興的な演技をさせることで知られ、これが彼の作品に独特の自然さをもたらしている。また、彼は人間の複雑さを描くことに長けており、その作品は単純な善悪ではなく、よりニュアンスに富んだ人間像を描いている。彼の作品は後の映画作家たち、特にヌーヴェルヴァーグに大きな影響を与えた。
ルノワールは、彼の人生の大部分を芸術と映画に捧げたが、彼の私生活も注目された。彼は2度結婚しており、最初の妻であるキャサリン・ヘスリングは彼の初期作品の多くに出演している。また、彼は多くの芸術家や知識人と親交があり、そのネットワークは彼の作品にも影響を与えた。
ジャン・ルノワールの映画は、映画史において重要な遺産となっており、彼の作品は今もなお多くの映画ファンに愛され、研究され続けている。
[監督作品]
1924 30歳
カトリーヌ Catherine
水の娘 La Fille de L’eau
1926 32歳
女優ナナ Nana
1928 34歳
マッチ売りの少女 La Petite marchande d’allumettes
のらくら兵 Tire-au-flanc
1931 37歳
坊やに下剤を On purge bébé
牝犬 La Chienne
1932 38歳
十字路の夜 La nuit du carrefour
素晴らしき放浪者 Boudu sauvé des eaux
1933 39歳
ボヴァリィ夫人 Madame Bovary
1935 41歳
トニ Toni
1936 42歳
ランジュ氏の犯罪 Le crime de Monsieur Lange
どん底 Les Bas-fonds
ピクニック Partie de campagne
1937 43歳
大いなる幻影 La Grande illusion
1938 44歳
ラ・マルセイエーズ La Marseillaise
獣人 La Bête humaine
1939 45歳
ゲームの規則 La Règle du jeu
1941 47歳
スワンプ・ウォーター Swamp Water
1943 49歳
自由への闘い This Land Is Mine
1945 51歳
南部の人 The Southerner
ヴェネツィア映画祭最優秀劇映画賞
1946 52歳
小間使の日記 The Diary of a Chambermaid
浜辺の女 The Woman on the Beach
1951 57歳
河 The River
1953 59歳
黄金の馬車 Le Carrosse d’or
1954 60歳
フレンチ・カンカン French Cancan
1956 62歳
恋多き女 Elena et les hommes
1959 65歳
コルドリエ博士の遺言 Le Testament du Docteur Cordelier
草の上の昼食 Le Déjeuner sur l’herbe
1961 67歳
捕えられた伍長 Le Caporal épinglé
コメント