ジェシカ・タンディ
Jessica Tandy
1909年6月7日、イギリス・ロンドン生まれ。
1994年11月11日、アメリカ・コネチカットで死去(子宮ガン)。享年85歳。
ヒューム・クローニン夫人。
数々の賞に輝く名女優。
ジェシカ・タンディは、イギリス生まれのアメリカの女優で、映画、舞台、テレビで幅広いキャリアを築いた。彼女は、60年以上にわたるキャリアの中で、アカデミー賞、トニー賞、エミー賞を含む多くの賞を受賞し、特に高齢になってからも演技で成功を収めたことが特徴的だ。
ロンドンのハックニーで生まれたジェシカは、母親が亡くなった後、演劇の道に進むことを決意。彼女は16歳でプロの舞台デビューを果たし、その後、イギリスで数々の舞台作品に出演した。特にローレンス・オリヴィエと共演した『ヘンリー五世』でのキャサリン役が注目された。1932年に映画俳優のジャック・ホーキンスと結婚し、一女をもうけるが、1940年に離婚している。
1940年代にアメリカに移住し、1942年にカナダ出身の俳優ヒューム・クローニンと再婚。彼らは、舞台でも映画でも頻繁に共演し、強力な演技パートナーシップを築いた。タンディは1947年にブロードウェイでテネシー・ウィリアムズの『欲望という名の電車』のブランチ・デュボア役で大成功を収め、トニー賞を受賞した。しかし、この役の映画版ではヴィヴィアン・リーに役を奪われた。
その後もジェシカは舞台を中心に活躍し、映画ではしばしば脇役を務めたが、1989年に『ドライビング・ミス・デイジー』でミス・デイジー役を演じ、80歳でアカデミー主演女優賞を受賞。この時、彼女はアカデミー賞を受賞した最年長の女優となった。
ジェシカとヒュームはハリウッドでもニューヨークでも成功を収めたが、映画業界が彼女の才能を認めるまでには時間がかかった。ヒュームが彼女のキャリアを後押しし、演劇界での成功を支援したとされている。彼らの関係は業界内でも理想的なカップルとして知られていたが、ハリウッドではジェシカが夫ほど評価されることは少なかった。
ジェシカはその品格と卓越した演技力で多くの観客に愛され、ハリウッドの伝説的な女優としての地位を確立した。彼女は、エレガンスと知性を兼ね備えた数少ない女優の一人であり、彼女の作品は今でも多くの映画ファンに影響を与え続けている。
[出演作品]
1932 23歳
THE INDISCRETIONS OF EVE
1938 29歳
Murder in the Family
1944 35歳
The Seventh Cross
Blonde Fever
1945 36歳
愛の決断 The Valley of Decision
1946 37歳
育ちゆく年 The Green Years
呪われた城 Dragonwyck
1947 38歳
永遠のアンバー Forever Amber
1950 41歳
旅愁 September Affair
1951 42歳
砂漠の鬼将軍 The Desert Fox: The Story of Rommel
1958 49歳
開拓者の血 The Light in the Forest
1962 53歳
青年 Hemingway’s Adventures of a Young Man
1963 54歳
鳥 The Birds
1982 73歳
結婚しない族 Best Friends
ガープの世界 The World According to Garp
1983 74歳
殺意の香り Still of the Night
1984 75歳
ボストニアン The Bostonians
1985 76歳
コクーン Cocoon
1987 78歳
別れの時 Foxfire
ニューヨーク東8番街の奇跡 Batteries not Included
1988 79歳
コクーン2/遥かなる地球 Cocoon: The Return
事件を追え The House on Carroll Street
1989 80歳
ドライビング Miss デイジー Driving Miss Daisy
アカデミー賞主演女優賞
ゴールデン・グローブ賞主演女優賞
1991 82歳
おばあちゃんの贈り物 The Story Lady (TV)
フライド・グリーン・トマト Fried Green Tomatoes
1992 83歳
迷子の大人たち Used People
1994 85歳
カミーラ あなたといた夏 Camilla
ノーバディーズ・フール Nobody’s Fool
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