地球が静止する日
The Day the Earth Stood Still
(アメリカ・カナダ 2008)
[製作] ポール・ハリス・ボードマン/グレゴリー・グッドマン/アーウィン・ストフ/マーヴィン・タウンズ・ジュニア
[監督] スコット・デリクソン
[脚本] エドマンド・H・ノース/ダヴィド・スカルパ
[撮影] デヴィッド・タターソル
[音楽] タイラー・ベイツ
[ジャンル] アドベンチャー/SF/ドラマ
キャスト

キアヌ・リーヴス
(クラトゥ)

ジェニファー・コネリー
(ヘレン・ベンソン)
ジェイデン・スミス (ジェイコブ・ベンソン)

キャシー・ベイツ
(レジーナ・ジャクソン国防長官)
ジョン・ハム (マイケル・グレイニア博士)

ジョン・クリーズ
(カール・バーンハート教授)
カイル・チャンドラー (ジョン・ドリスコル)
ロバート・ネッパー (米軍大佐)
ジェームズ・ホン (Mr. ウー)
ジョン・ロスマン (マイロン博士)
ロジャー・クロス (クイン大将)
ヒロ・カナガワ (イケガワ博士)
概要
『地球が静止する日』(The Day the Earth Stood Still)は、2008年公開のSF映画。1951年の同名映画のリメイク作品で、監督はスコット・デリクソン、主演はキアヌ・リーヴス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス。地球外生命体が地球を訪れ、人類に警告を与えるというストーリーだが、リメイク版では環境破壊が主要テーマとなっている。
ストーリー
ある日、巨大な球体型宇宙船がニューヨークのセントラルパークに着陸し、世界中が騒然となる。政府は軍を派遣し、科学者のヘレン・ベンソン(ジェニファー・コネリー)も調査に加わる。宇宙船から現れたのは、クラトゥ(キアヌ・リーヴス)という人間に似た異星人と、巨大なロボット「ゴート」。しかし、クラトゥは軍の狙撃を受け、負傷してしまう。
クラトゥは軍の施設で治療され、彼の身体は人間のDNAを持つ形に適応していた。彼はヘレンに接触し、「地球は破壊の危機に瀕している。私は人類を裁くために来た」と告げる。地球を救うためには、人類を消滅させるしかないというのがクラトゥの判断だった。
ヘレンはクラトゥに「人類には変わる力がある」と説得しようとする。彼女の息子ジェイコブ(ジェイデン・スミス)も同行し、クラトゥは徐々に人間の感情や希望を理解し始める。一方、政府はクラトゥを捕獲しようと躍起になり、軍がゴートを攻撃したことで、ゴートは無数のナノマシンの群れに分解し、都市を破壊し始める。
クラトゥは人類に最後のチャンスを与えるため、自らを犠牲にしてナノマシンの暴走を止める。彼の行動によって、地球は救われるが、代償としてすべての電力と機械が停止し、地球が静止する。ヘレンとジェイコブは、クラトゥの決断を見守りながら、人類がこの機会を生かせるかどうかに希望を託す。
エピソード
1951年のオリジナル版との違い
オリジナル版は冷戦をテーマにしていたが、本作では環境問題がテーマに。
ゴートのデザイン変更
1951年版のロボットはシンプルなデザインだったが、本作では巨大で圧倒的な存在感を持つものに変更。
ロケ撮影の工夫
撮影は主にバンクーバーとニューヨークで行われたが、CGを多用して壮大なスケールを演出。
クラトゥの言葉
映画内で登場する「Klaatu barada nikto」のフレーズは、オリジナル版からのオマージュ。
キアヌのミニマリズム演技
彼はクラトゥを「合理的な生命体」として演じるため、最小限の表情で感情を表現。
環境問題のメッセージ
監督は本作を「地球を救うために何をすべきか」を考えさせる映画と位置づけている。
ジェイデン・スミスの成長
彼は撮影当時10歳だったが、しっかりとした演技を披露し、後の『ベスト・キッド』(2010)につながる。
ゴートのナノマシン化は新設定
オリジナル版ではレーザー攻撃だったが、本作では「ナノマシンで分解する」設定に。
クラトゥの能力
クラトゥは電磁波を操る能力を持ち、電子機器を停止させることができる。
エンドロール後の意味深な演出
地球が静止した後、人類がどうなるのかは観客に委ねられる形になっている。
キアヌはオリジナル版を尊重
彼は1951年版を何度も見て、リメイク作品としてのバランスを意識した。
視覚効果の進化
本作のVFXは『アイアンマン』(2008)と同じチームが手掛け、ゴートのCGには特に力が入れられた。
政府の対応がリアル
異星人の到来に対する政府の対応は、実際の軍事マニュアルに基づいて描かれている。
大統領は登場しない
異星人の脅威にもかかわらず、大統領は直接登場せず、現場レベルでの対応に焦点が当てられた。
クラトゥの「変化」
物語の終盤でクラトゥは人類への理解を深め、決断を下す。
ジェニファー・コネリーの母親役
彼女の演じるヘレンは、母親としての愛情と科学者としての理性の間で葛藤する。
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