ガンガ・ディン
Gunga Din
(アメリカ 1939)
[製作] ジョージ・スティーヴンス
[監督] ジョージ・スティーヴンス
[原作] ジョージ・スティーヴンス/ベン・ヘクト/チャールズ・マッカーサー
[脚本] ジョエル・セイヤー/フレッド・ギオル/レスター・コーエン/ジョン・コルトン/ウィリアム・フォークナー/ヴィンセント・ローレンス/ダドリー・ニコルズ/アンソニー・ヴィーラー
[撮影] ジョゼフ・H・オーガスト
[音楽] アルフレッド・ニューマン
[ジャンル] アドベンチャー/コメディ/戦争
キャスト
ケーリー・グラント
(アーチボルト・カッター)
ヴィクター・マクラグレン (‘マック’・マクチェスニー)
ダグラス・フェアバンクス・ジュニア
(トーマス・‘トミー’・バランタイン)
サム・ジャフィ (ガンガ・ディン)
エドゥアルド・チャネリ (グル)
ジョーン・フォンテイン
(エマリーン・‘エミー’・ステビンス)
モンタギュー・ラヴ (ウィード大佐)
ロバート・コート (バーティ・ヒギンボサム)
アブナー・バイバーマン (コタ)
ラムスデン・ヘア (ミッチェル)
概要
『ガンガ・ディン(Gunga Din)』は、ジョージ・スティーヴンス監督によるアクションアドベンチャー映画。ラドヤード・キップリングの同名詩を原作に、19世紀末のインドを舞台にした友情と勇気の物語。イギリス軍の3人の軍曹と現地の水汲み人夫ガンガ・ディンが繰り広げる冒険を描き、壮大なスケールの戦闘シーンと感動的なドラマで観客を魅了した。
ストーリー
物語は、19世紀末のイギリス領インドで展開する。3人のイギリス軍軍曹、クレイグ(クレイ・グラント)、カトバート(ヴィクター・マクラグレン)、そしてバラバンタイン(ダグラス・フェアバンクス・ジュニア)は、危険で過酷な任務を共にする仲間だ。彼らは友情で結ばれつつも、それぞれの性格の違いから時折ぶつかり合う。
一方で、インドの現地人であるガンガ・ディン(サム・ジャッフェ)は、イギリス軍に仕える水汲み人夫として働いているが、彼には兵士になる夢があった。ガンガ・ディンは、自分の役割を超えた勇気を見せる場面があり、次第に軍曹たちの信頼を得るようになる。
物語は、イギリス軍が邪教団タギーの秘密の活動を探る任務を受けるところから急展開する。タギー教団は、イギリス統治に反発し、反乱を計画していた。軍曹たちはガンガ・ディンを案内人として、教団の本拠地に潜入するが、彼らは教団の罠にかかり、捕らえられてしまう。
絶望的な状況の中で、ガンガ・ディンは兵士としての夢を果たすため、自らを犠牲にして警鐘を鳴らし、イギリス軍に危険を知らせる。彼の勇気ある行動により、救援が到着し、教団は壊滅されるが、ガンガ・ディン自身は命を落とす。
物語の最後、ガンガ・ディンの自己犠牲と勇気に感銘を受けた軍曹たちは、彼を名誉ある兵士として讃え、彼の名前を永遠に語り継ぐことを誓う。
エピソード
- ラドヤード・キップリングの詩「ガンガ・ディン」に基づいており、彼の作品の中でも特に有名なものの一つ。
- 撮影はカリフォルニア州のシエラネバダ山脈で行われたが、現地の環境が過酷でキャストとクルーは苦労した。
- 映画は、インディ・ジョーンズシリーズや他の冒険映画に影響を与えた。
- スティーヴンス監督は、アクションシーンとキャラクターのユーモラスなやり取りを巧みに組み合わせている。
- ガンガ・ディン役のサム・ジャッフェは、非常に重要なキャラクターであり、映画の感動的な結末に大きく寄与している。
- 商業的にも成功し、当時の冒険映画の中で重要な位置を占めた。
- 友情と勇気のテーマを強調しており、特にカーティスたちとガンガ・ディンの絆が感動的に描かれている。
- 19世紀のイギリス植民地時代のインドを背景にしており、当時の文化的な描写が含まれている。
- 戦争シーンのリアルな描写が話題となり、観客に強い印象を与えた。
- 壮大な戦闘シーンのために、多くのエキストラが動員され、当時としては破格の予算が投じられた。
- ダグラス・フェアバンクス・ジュニアは、父親譲りのアクションシーンでの存在感が評価された。
- フランク・キャプラ監督が製作に関与する予定だったが、最終的にはジョージ・スティーヴンスに引き継がれた。
『ガンガ・ディン』は、エキサイティングなアクションシーンと心温まる友情の物語で観客を魅了する作品として評価されている。ケーリー・グラント、ヴィクター・マクラグレン、ダグラス・フェアバンクス・ジュニアの演技は、ユーモアと真剣さを兼ね備えた絶妙なバランスを保っており、特にサム・ジャッフェのガンガ・ディン役は感動的で忘れがたい。ジョージ・スティーヴンスの巧みな演出が映画のテンポと緊張感を高め、映画全体に強いインパクトを与えている。この映画は、冒険映画の金字塔として、今もなお観客に愛され続けている。
コメント