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フィラデルフィア物語 The Philadelphia Story 1940

1940

フィラデルフィア物語(字幕版)

フィラデルフィア物語
The Philadelphia Story

(アメリカ 1940)

[製作] ジョゼフ・L・マンキーウィッツ
[監督] ジョージ・キューカー
[原作] フィリップ・バリー
[脚本] ドナルド・オグデン・スチュアート/ウォルド・ソルト
[撮影] ジョゼフ・ルッテンバーグ
[音楽] フランツ・ワックスマン
[ジャンル] コメディ/恋愛
[受賞]
アカデミー賞 主演男優賞(ジェームズ・スチュワート)/脚本賞
NY批評家協会賞 主演女優賞(キャサリン・ヘプバーン)


キャスト

ケーリー・グラント
(C.K.デクスター・ヘイヴン)

キャサリン・ヘプバーン
(トレイシー・サマンサ・ロード)

ジェームズ・スチュワート
(マコーレイ(マイク)・コナー)


ルース・ハッセイ (エリザベス(リズ)・インブリー)
ジョン・ハワード (ジョージ・キットレッジ)
ローランド・ヤング (ウィリー叔父)
ジョン・ホリデイ (セス・ロード)
メアリー・ナッシュ (マーガレット・ロード)
ヴァージニア・ウィードラー (ディナ・ロード)
ヘンリー・ダニエル (シドニー・キッド)
ライオネル・ペイプ (エドワード)
レックス・エヴァンス (トーマス)



ストーリー

『フィラデルフィア物語』は1940年に公開されたアメリカのロマンティック・コメディ映画。監督はジョージ・キューカー、主演はキャサリン・ヘプバーン、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュアート。フィラデルフィアの上流社会を舞台に、結婚を控えた女性とその元夫、そして新たな恋の三角関係を描く。映画は1939年の舞台劇を原作としており、キャサリン・ヘプバーンにとって再評価を受けるきっかけとなった作品。

物語は、フィラデルフィアの裕福な家庭に生まれたトレイシー・ロード(キャサリン・ヘプバーン)の結婚式が近づくところから始まる。トレイシーは、実業家のジョージ・キッタリッジ(ジョン・ハワード)との結婚を控えているが、彼女の元夫でプレイボーイのC.K.デクスター・ヘイヴン(ケーリー・グラント)が結婚式に招かれることになる。

デクスターは、トレイシーの家族のスキャンダルを暴露しようとするゴシップ雑誌の記者、マイク・コナー(ジェームズ・スチュワート)と写真家のリジー(ルース・ハッセイ)を引き連れて現れる。デクスターはトレイシーにまだ未練があり、彼女の完璧さへの執着を緩和させようとしている。

中盤では、トレイシー、デクスター、マイクの間で複雑な感情の交差が起こる。トレイシーはマイクの誠実さに惹かれ、デクスターへの過去の感情も再燃する。彼女は自分の本当の気持ちを見つけ出すために内省し、完璧主義の殻を破る必要に迫られる。

エピソード

キャサリン・ヘプバーンの復活:
ヘプバーンは1930年代後半に「ボックスオフィスの毒」と呼ばれていたが、この映画で見事に復活を遂げた。

アカデミー賞:
映画は第13回アカデミー賞で6部門にノミネートされ、ジェームズ・スチュアートが主演男優賞を受賞したほか、脚本賞も受賞した。

舞台劇からの映画化:
映画はフィリップ・バリーの舞台劇を原作としており、ヘプバーンはその舞台劇でも主演を務めていた。

ケーリー・グラントとヘプバーンの再共演:
この映画は、グラントとヘプバーンが共演した2本目の作品であり、彼らの相性の良さが話題となった。

ジェームズ・スチュアートの二日酔い:
スチュアートは撮影中、二日酔いでシーンを演じたことがあり、これが自然な演技に繋がったと言われている。

ユーモアとウィット:
映画は、鋭いウィットと軽快な会話劇で、上流社会の虚栄心を風刺している。



ゴシップ:
撮影中、グラントとヘプバーンの親しい関係がゴシップの対象となったが、これは映画の宣伝にも利用された。

美術と衣装:
フィラデルフィアの上流社会を象徴する豪華なセットと衣装が、映画の視覚的魅力を高めている。

批評家の評価:
映画は、そのウィットと俳優陣の見事な演技で、批評家から絶賛された。

興行成績:
映画は商業的にも成功し、1940年のトップ10興行成績に入った。

台本の即興:
いくつかのシーンでは、俳優たちが即興で会話を追加し、映画にさらなるユーモアを加えた。

ヘプバーンのプロデュース:
ヘプバーンはこの映画のプロデュースにも関与し、自身のキャリアを再び軌道に乗せるために積極的に働いた。



『フィラデルフィア物語』は、そのウィットに富んだ脚本とキャストの見事な演技が際立つロマンティック・コメディの名作として広く認知されている。キャサリン・ヘプバーンの複雑なキャラクターとケーリー・グラント、ジェームズ・スチュアートとの相性が絶妙で、映画全体に魅力と深みを加えている。ジョージ・キューカーの洗練された演出は、上流社会の風刺と同時に人間関係の機微を描き出し、映画の永続的な魅力を確立している。『フィラデルフィア物語』は、今なお多くの映画ファンに愛され、ロマンティック・コメディの金字塔として位置づけられている。

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