恋愛手帖
Kitty Foyle
(アメリカ 1940)
[製作] ハリー・Ｅ・エディントン／デヴィッド・ヘンプステッド
[監督] サム・ウッド
[原作] クリストファー・モーリー
[脚本] ダルトン・トランボ／ドナルド・オグデン・スチュアート
[撮影] ロバート・ド・グラッセ
[音楽] ロイ・ウェッブ
[ジャンル] ドラマ／恋愛
[受賞] アカデミー賞 主演女優賞（ジンジャー・ロジャース）
キャスト
ジンジャー・ロジャース
（キャサリン・‘キティ’・フォイル）
デニス・モーガン （ウィンウッド・‘ウィン’・ストラフォード６世）
ジェームズ・クレイグ （Dr.マーク・アイゼン）
エドゥアルド・チャネリ （ジオノ）
アーネスト・コサート （トム・‘ポップ’・フォイル）
グラディス・クーパー （ストラフォード夫人）
Ｋ・Ｔ・スティーヴンス （モリー）
オデット・マーティル （デルフィーヌ）
メアリー・トリーン （パット・デイ）
ストーリー
『恋愛手帖』は1940年に公開されたアメリカのロマンティック・ドラマ映画。監督はサム・ウッドで、主演はジンジャー・ロジャース。映画は、若い女性キティ・フォイルが、愛とキャリアの間で葛藤する姿を描き、彼女の成長と自己発見の物語を紡いでいる。ロジャースはこの作品でアカデミー主演女優賞を受賞し、彼女のキャリアにおける重要な作品となった。
物語は、ペンシルベニア州フィラデルフィアの労働者階級の家庭に生まれたキティ・フォイル（ジンジャー・ロジャース）に焦点を当てている。彼女は若い頃から、自立し成功することを夢見ていた。キティは秘書として働く中で、新聞社の富裕な後継者であるウィン・ストラットン（デニス・モーガン）と出会う。二人は恋に落ちるが、ウィンの家族の反対と階級の違いが障害となる。
キティはウィンとの結婚を諦めざるを得ず、ニューヨークへと移り住む。彼女は新しい環境で再スタートを切り、医者のマーク・アイゼル（ジェームズ・クレイグ）と親しくなる。マークはキティに結婚を申し込むが、キティはウィンへの未練を捨てられず、迷いを感じる。
中盤では、ウィンが突然現れ、再びキティの人生に入り込む。彼はキティに、もう一度やり直そうと提案するが、キティはウィンの提案とマークとの安定した未来の間で悩む。彼女は自分自身と向き合い、真実の愛とは何かを問いかけながら、自分の道を決める必要に迫られる。
エピソード
ジンジャー・ロジャースの演技:
ロジャースはこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞し、ダンサーとしてだけでなく、シリアスな女優としても評価された。
原作:
映画はクリストファー・モーレイの小説『Kitty Foyle』を原作としており、彼の作品の中でも特に人気の高いものとなっている。
撮影の舞台裏:
ロジャースは役作りのために、フィラデルフィアの労働者階級の生活を研究し、役柄に深みを与えた。
階級問題の描写:
映画は、アメリカ社会における階級の違いとその影響を描写し、当時の観客に共感を呼んだ。
批評と評価:
映画は公開当時、ロジャースの演技と物語の現実味が批評家から高く評価された。
社会的テーマ:
映画は、女性の自立やキャリアと結婚の選択についても探求し、時代を超えたテーマを提供している。
ゴシップ:
撮影中、ロジャースと監督のサム・ウッドとの間でクリエイティブな意見の対立があったとされるが、これは最終的な作品の完成度には影響を与えなかった。
視覚的表現:
映画は、キティの内面的な葛藤を視覚的に表現するために、巧みな映像技術が使われている。
音楽:
映画音楽は、物語の感情的なトーンを強調し、特に感動的なシーンで効果的に使用されている。
興行成績:
『恋愛手帖』は興行的にも成功し、1940年のヒット作の一つとなった。
時代背景:
映画は、1930年代から1940年代のアメリカ社会を背景にしており、その時代の社会問題や文化を反映している。
ファッション:
ジンジャー・ロジャースが着用した衣装は、当時のファッションに影響を与えた。
文化的影響:
『恋愛手帖』は、当時の社会で女性が直面する選択やチャレンジに関する議論を促進し、その後の女性映画にも影響を与えた。
『恋愛手帖』は、ジンジャー・ロジャースの感動的な演技が光る作品として高く評価されている。映画は、愛とキャリアの間で揺れ動く女性の葛藤をリアルに描き、観客に強い共感を呼んだ。ロジャースの複雑なキャラクター描写と、現実的な物語展開が観客を引きつけ、映画全体に深みを与えている。サム・ウッドの巧みな演出と、映画の社会的なテーマは、時代を超えて観客に響くものとなっている。『恋愛手帖』は、女性映画のクラシックとして、今なお多くの映画ファンに愛されている。
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