インドシナ
Indochine
(フランス 1992)
[製作] エリック・ウーマン/ジャン・ラバディ
[監督] レジス・ヴァルニエ
[脚本] ルイ・ガルデル/エリック・オルセンナ/カトリーヌ・コーエン
[撮影] フランソワ・カトンヌ
[音楽] パトリック・ドイル
[ジャンル] ドラマ/恋愛/歴史
[受賞]
アカデミー賞 外国語映画賞
セザール賞 主演女優賞(カトリーヌ・ドヌーヴ)/撮影賞/音響賞/助演女優賞(ドミニク・ブラン)
ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞
ゴヤ賞 ヨーロッパ映画賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 外国語映画賞
カトリーヌ・ドヌーヴ (エリーヌ)
ヴァンサン・ペレーズ (ジャン・バティスト)
リン・ダン・ファン (カミーユ)
ジャン・ヤンヌ (ガイ)
ドミニク・ブラン (イヴェット)
アンリ・マルトー (エミール)
「インドシナ」は、レジス・ヴァルニエ監督によるフランスの歴史ドラマ映画。フランスの植民地時代のインドシナ(現在のベトナム、ラオス、カンボジア)を舞台に、フランス人女性と彼女が育てたベトナム人の養女との複雑な関係を描いている。主演はカトリーヌ・ドヌーヴで、彼女はこの役でアカデミー賞にノミネートされた。
映画は1930年代から1950年代にかけてのフランス植民地時代のインドシナを舞台にしている。エリーヌ・デヴリーズ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は裕福なフランス人で、広大なゴム農園を所有している。彼女は幼少期に両親を失ったベトナム人の少女カミーユ(リン・ダン・ファン)を養女として育てる。エリーヌは愛情を持ってカミーユを育てるが、二人の関係はカミーユが成長するにつれて複雑になっていく。
物語は、フランス海軍の将校ジャン=バティスト(ヴァンサン・ペレーズ)が登場し、彼がエリーヌとカミーユの生活に影響を与えるところから進展する。エリーヌはジャン=バティストに惹かれるが、彼はカミーユともロマンチックな関係を築き始める。カミーユは、ジャン=バティストとの関係を通じて、自らのアイデンティティと母国ベトナムへの意識を目覚めさせる。
カミーユは、ジャン=バティストとともにベトナムの独立運動に関わるようになり、彼女の行動はエリーヌとの間にさらに大きな溝を生む。エリーヌは、カミーユを守りたい一心で彼女の行動を制限しようとするが、それが逆にカミーユの反発を招く。
カトリーヌ・ドヌーヴの評価:
ドヌーヴは、この映画でエリーヌ役を演じ、彼女の複雑な感情と優雅さを見事に表現した。彼女はこの役でアカデミー賞にノミネートされた。
撮影場所:
映画は主にベトナムで撮影され、インドシナの美しい風景が映画のビジュアルに大きく貢献している。
歴史的背景:
映画は、フランス植民地時代のインドシナでのフランス人と現地人との関係、そして独立運動の緊張を描いている。
リン・ダン・ファンのデビュー:
カミーユ役を演じたリン・ダン・ファンは、この映画がデビュー作であり、彼女の演技が高く評価された。
ヴァンサン・ペレーズの役作り:
ペレーズは、ジャン=バティスト役でエリーヌとカミーユの間に立つ複雑なキャラクターを演じた。
アカデミー賞受賞:
映画はアカデミー外国語映画賞を受賞し、国際的にも高く評価された。
文化的描写:
映画はフランスとベトナムの文化的対立と共存を描き、植民地時代の複雑な関係を浮き彫りにしている。
フランスの植民地主義批判:
映画はフランスの植民地主義に対する批判的な視点を持ち、現地の人々の視点からも歴史を描いている。
キャストの相互作用:
ドヌーヴ、ペレーズ、ファンの間の演技の相性が映画の核心部分を形成しており、物語の緊張感とドラマを生み出している。
「インドシナ」は、フランス植民地時代のインドシナを背景に、人間関係と歴史的な対立を巧みに描いたドラマ映画。カトリーヌ・ドヌーヴの演技は、強い意志と優雅さを持つエリーヌというキャラクターに深みを与えている。また、リン・ダン・ファンのデビュー作としても注目され、彼女のカミーユ役が物語における感情的な核となっている。
映画は、フランスとベトナムの文化的な対立と共存、そして植民地主義の影響を探求し、観客に深い考察を促す。美しい風景と繊細な演技が組み合わさり、視覚的にも感情的にも豊かな作品となっている。国際的にも高い評価を受けたこの映画は、歴史ドラマとして非常に優れた作品だ。
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