アニー・ホール
Annie Hall
(アメリカ 1977)
[製作総指揮] ロバート・グリーンハット
[製作] チャールズ・H・ジョフィ/ジャック・ローリンズ/フレッド・T・ギャロ
[監督] ウディ・アレン
[脚本] ウディ・アレン/マーシャル・ブリックマン
[撮影] ゴードン・ウィリス
[ジャンル] コメディ/恋愛
[受賞]
アカデミー賞 主演女優賞(ダイアン・キートン)/監督賞/作品賞/オリジナル脚本賞
英国アカデミー賞 主演女優賞(ダイアン・キートン)/監督賞/編集賞/作品賞/脚本賞
ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(ダイアン・キートン)
LA批評家協会賞 脚本賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 助演女優賞(ダイアン・キートン)
全米批評家協会賞 主演女優賞(ダイアン・キートン)/作品賞/脚本賞
NY批評家協会賞 主演女優賞(ダイアン・キートン)/監督賞/作品賞/脚本賞
キャスト
ウディ・アレン
(アルヴィー・シンガー)
ダイアン・キートン
(アニー・ホール)
トニー・ロバーツ
(ロブ)
キャロル・ケイン
(アリソン)
ポール・サイモン
(トニー・レイシー)
シェリー・デュヴァル
(パム)
ジャネット・マーゴリン (ロビン)
コリーン・デュハースト
(アニーの母)
クリストファー・ウォーケン
(デュアン・ホール)
ドナルド・シミントン (アニーの父)
ヘレン・ラドラム (アニーの祖母)
モーデカイ・ローナー (アルヴィーの父)
ジョーン・ニューマン (アルヴィーの母)
ジョナサン・ムンク (アルヴィー(9歳))
ジェフ・ゴールドブラム
(パーティ客)
シガニー・ウィーヴァー
(アルヴィーのデート相手)
ジョン・グローヴァー
(俳優の友人)
概要
『アニー・ホール』は、ウディ・アレンが監督・脚本・主演を務めたロマンティック・コメディの名作。
都会生活と恋愛の複雑さを軽妙かつシニカルに描き、1970年代のアメリカ映画を代表する作品。
ダイアン・キートン演じるアニー・ホールとの恋愛を中心に、アレン演じるアルヴィー・シンガーの視点で、ユーモラスで哲学的なストーリーが展開される。
ストーリー
アルヴィー・シンガー(ウディ・アレン)は、ニューヨークを拠点に活躍するコメディ作家。神経質でシニカルな性格の彼は、恋愛や人生の意味に対して常に懐疑的で、これまでの恋愛も上手くいっていない。
ある日、アルヴィーは陽気で自由奔放な女性アニー・ホール(ダイアン・キートン)と出会う。2人はお互いの違いに惹かれ合い、恋愛関係に発展する。アルヴィーはアニーのユニークなファッションセンスや純粋な感性に魅了され、アニーもアルヴィーの知的なユーモアに惹かれる。
2人の恋愛は楽しい瞬間と喧嘩が入り混じるが、やがて価値観や生き方の違いが表面化する。アルヴィーはアニーの自立心に戸惑い、アニーはアルヴィーの過干渉に息苦しさを感じる。アニーは成長のためにカリフォルニアへ移り住むことを決意し、2人は別れることになる。
その後、アルヴィーはアニーに未練を感じつつも、彼女との時間が自分を変えるきっかけになったことを認める。映画は、アルヴィーが過去の出来事を振り返りながら、人生や愛の意味について考える姿で締めくくられる。
エピソード
- アレンとキートンは実際に恋愛関係にあったことがあり、アニーのキャラクターや台詞にはキートン本人の影響が強く表れている。
- キートンが映画で着用したマニッシュなファッションは、当時のトレンドを生み出し、「アニー・ホール・スタイル」として一世を風靡した。
- 当初のタイトルは『Anhedonia』(快楽喪失症)だったが、制作側が一般受けしないと判断し、『アニー・ホール』に変更された。
- アレンは撮影中に脚本を頻繁に変更し、即興的に台詞やシーンを追加した。この柔軟さが映画のリアルな会話劇を生んだ。
- キートンの本名はダイアン・ホールであり、「アニー」は彼女のニックネーム。この映画のキャラクターは彼女自身をモデルにしている。
- 映画はアルヴィーの視点で進むが、しばしば第四の壁を破って観客に語りかける手法が用いられ、当時としては斬新だった。
- 映画では、アルヴィーが愛するニューヨークとアニーが移住するロサンゼルスの対照的な文化が強調され、2人の価値観の違いを象徴している。
- 物語の中盤では、アニーとアルヴィーが白雪姫のアニメキャラクターとして登場するユニークなシーンが挿入され、観客の話題を呼んだ。
- アレンの幼少期のトラウマや神経質な性格が物語に色濃く反映され、アルヴィーのキャラクターにリアリティを与えている。
感想
アニーのファッションや自由奔放な性格には憧れるし、アルヴィーの不器用な愛情表現にはどこか共感できる。2人の恋愛は、甘さだけでなく現実の難しさが描かれていて、見ていて苦笑する場面も多い。でも、別れを経てアルヴィーが彼女との時間を振り返るシーンは切なくて、「大切な人との関係ってこういうものかも」と思わされた。
ニューヨークとロサンゼルスの対比が面白く、都会生活者の孤独や不安をユーモラスに描いている点も印象的。軽妙でありながら心に残る映画。
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