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グランド・ホテル Grand Hotel 1932

グランド・ホテル
Grand Hotel
(アメリカ 1932)

[製作]  ポール・バーン/アーヴィング・サルバーグ
[監督]  エドマンド・グールディング
[脚本]  ヴィッキー・ボーム/ウィリアム・A・ドレイク/ベラ・バラジ
[撮影]  ウィリアム・H・ダニエルズ
[音楽]  ウィリアム・アクスト/チャールズ・マックスウェル
[ジャンル]  ドラマ
[受賞]  アカデミー賞作品賞


キャスト

グレタ・ガルボ
(グルシンスカヤ)

ジョン・バリモア
(フェリックス・フォン・ガイガーン男爵)


ジョーン・クロフォード
(フレムシェン)


ウォレス・ビーリー (プレイシング)
ライオネル・バリモア (オットー・クリンゲラン)
ルイス・ストーン (Dr.オッテンシュラッグ)



ストーリー

映画「グランド・ホテル」は、エドマンド・グールディング監督によるアンサンブルキャストのドラマ映画であり、グレタ・ガルボが主演している。

この作品は、ヴィッキイ・バウムの小説「Menschen im Hotel」を原作としており、1932年のアカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した。アカデミー賞において唯一、作品賞のみにノミネートされて受賞した映画としても知られている。

物語の舞台はベルリンのグランド・ホテル。ホテルにはさまざまな背景を持つゲストが滞在しており、それぞれの物語が絡み合っていく。

グルシンスカヤ(グレタ・ガルボ):有名なバレリーナで、キャリアに対する不安と孤独に悩んでいる。
フレムシェン(ジョーン・クロフォード):若く美しい秘書で、金持ちの男性と結婚して安定を得たいと考えている。
バロン・ゲイゲルン(ジョン・バリモア):魅力的な泥棒で、借金返済のためにグルシンスカヤの宝石を盗もうと計画するが、彼女に惹かれてしまう。
オットー・クリンゲライン(ライオネル・バリモア):末期癌を患い、人生最後の楽しみを求めてグランド・ホテルに滞在している会計士。
プレイジング(ウォーレス・ビアリー):冷酷な工場主で、クリンゲラインの会社の元上司。
各キャラクターの運命がホテル内で交錯し、愛、裏切り、友情、悲劇が織り成される。

エピソード

「スターが多すぎる」問題
当初、製作側は多くの大物スターを一つの映画にキャスティングすることに懸念を抱いていたが、最終的にその豪華キャストが映画の大きな魅力となった。

ガルボの名台詞
グレタ・ガルボの「I want to be alone.」(私は一人になりたい)が映画の中で有名な台詞となり、彼女のキャリアの中でも象徴的な言葉となった。

撮影の舞台裏
グレタ・ガルボは非常に内向的で、撮影中も他のキャストとはあまり交流しなかったと言われている。しかし、彼女の演技は多くの人々に感動を与えた。

キャストの変更
当初、フレムシェン役はジョーン・クロフォードではなく、ノーマ・シアラーがキャスティングされる予定だったが、最終的にクロフォードが起用された。

エンディングの変更
原作では結末が異なっていたが、映画の公開前にハッピーエンドに変更された。この変更が観客に好評を博した。

撮影セット
ホテルのセットは非常に豪華で、特にロビーのシーンは映画の象徴的な場面となっている。セットデザインは当時の観客に強い印象を残した。

演技の対照
グレタ・ガルボとジョーン・クロフォードの演技スタイルの対照が映画の見どころの一つとなっている。ガルボの内向的で感情的な演技と、クロフォードの外向的で現実的な演技が絶妙なバランスを作り出している。

公開当初の評価
映画は公開当初から批評家に高く評価され、特にキャストの豪華さと物語の巧みな構成が称賛された。

興行成績
「グランド・ホテル」は興行的にも大成功を収め、1932年の最大のヒット作の一つとなった。これにより、MGMは「オールスター映画」という新たなジャンルを確立した。

後の影響
映画の成功は、後の多くの映画やテレビドラマに影響を与え、ホテルという舞台設定を使った群像劇のフォーマットが確立された。


「グランド・ホテル」は、その豪華なキャスト、美しいセット、そして巧みなストーリーテリングで観客を魅了し続けている。この映画は、ロマンティックドラマの古典として、今なお多くの人々に愛され、その影響力は色褪せることがない。エドマンド・グールディングの監督技術と、グレタ・ガルボ、ジョーン・クロフォード、ジョン・バリモアらの名演技が融合したこの作品は、映画史における重要な一作である。

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