地上より永遠に
From Here to Eternity
(アメリカ 1953)
[製作] バディ・アドラー
[監督] フレッド・ジンネマン
[原作] ジェームズ・ジョーンズ
[脚本] ダニエル・タラダッシュ
[撮影] バーネット・ガフィ/フロイド・クロスビー
[音楽]
ジョージ・ダニング/ジェームズ・ジョーンズ/フレッド・カーガー/ロバート・ウェルズ
[ジャンル] 戦争/ドラマ/恋愛
[受賞]
アカデミー賞助演男優賞(フランク・シナトラ)/助演女優賞(ドナ・リード)/撮影賞/監督賞/編集賞/作品賞/音響賞/脚本賞
カンヌ映画祭特別賞
ゴールデン・グローブ賞監督賞/助演男優賞(フランク・シナトラ)
NY批評家協会賞主演男優賞(バート・ランカスター)/監督賞/作品賞
キャスト
バート・ランカスター
(ミルトン・ウォーデン)
モンゴメリー・クリフト
(ロバート・プルー’・プルーウィット)
デボラ・カー
(カレン・ホームズ)
フランク・シナトラ
(アンジェロ・マッジオ)
ドナ・リード
(アルマ・バーク(ロレイン))
アーネスト・ボーグナイン
(ジェームズ・R・‘ファッツォ’・ジャドソン)
フィリップ・オーバー (ダナ・‘ダイナマイト’・ホームズ)
ミッキー・ショーネシー (リーヴァ)
ハリー・ベラヴァー (マジオーリ)
ジャック・ウォーデン
(バックリー)
ジョン・デニス (アイク・ギャロヴィッチ)
マール・トラヴィス (サル・アンダーソン)
ティム・ライアン (ピート・カレルセン)
アーサー・キーガン (トリードウェル)
バーバラ・モリソン (キファー夫人)
概要
『地上より永遠に』(From Here to Eternity)はフレッド・ジンネマン監督による戦争ドラマで、真珠湾攻撃直前のハワイを舞台に、軍人たちの愛と葛藤を描く。
バート・ランカスター、デボラ・カー、モンゴメリー・クリフト、フランク・シナトラといった豪華キャストが揃い、戦争映画としてだけでなく人間ドラマとしても高い評価を得た。
ストーリー
元ボクサーで音楽好きの兵士ロバート・プルーイット(モンゴメリー・クリフト)は、軍の流儀に馴染めず孤立する。プルーイットはかつて仲間を傷つけた経験から、上官のボクシング部への参加を頑なに拒み、激しい嫌がらせを受ける。
一方、上官ウォーデン軍曹(バート・ランカスター)は、上司の妻カレン(デボラ・カー)と不倫関係にある(2人のビーチでの情熱的なキスシーンは映画史に残る名場面となった)。カレンは夫の浮気癖や冷淡な態度に苦しみ、ウォーデンに心の拠り所を見出す。
また、陽気な兵士アンジェロ・マッジオ(フランク・シナトラ)は、仲間のプルーイットと親交を深めるが、厳格な監視兵ファッツォとの確執から悲劇的な運命を辿る。プルーイット自身も酒場で働くロリーン(ドナ・リード)と恋に落ちるが、彼女の夢と彼の現実との間に生じるギャップが2人の関係を試す。
やがて真珠湾攻撃が発生し、登場人物たちの人生は一変する。プルーイットは仲間の死に直面し、自らの信念と生き方を守るために命を懸ける。戦争の中で、彼らはそれぞれの愛や絆、そして運命に直面していく。
エピソード
- シナトラはこの役を得るために積極的にアピールし、体重を減らして役作りに臨んだ。このエピソードは、後に映画『ゴッドファーザー』でのキャラクターのモデルとも噂された。
- ビーチでのキスシーンは波の流れが激しい中で撮影され、ランカスターは何度も砂浜に流されながらも熱演。彼のフィジカルの強さがこの名場面を支えた。
- 通常は清楚な役が多かったカーが不倫関係にあるカレンを演じたことで、彼女の新たな一面が評価された。撮影中、彼女の大胆な演技に共演者たちは驚きを隠せなかったという。
- プルーイットが演奏するトランペットのシーンでは、クリフトが実際に練習を重ね、リアルな演技を追求した。
- リードは本作で、これまでの「家庭的な女性」というイメージを一新。彼女の色っぽい演技がキャリアの転機となった。
感想
愛や戦争がテーマだけど、登場人物たちの不器用さや自己中心的な行動がリアルに描かれていて妙に共感できる。情熱的なビーチのキスシーンも、ちょっと冷静に見ると「これ大丈夫?」って思ったり、信念を貫くプルーイットの頑固さには「もっと柔軟になれよ」と突っ込みたくなる。それでも、キャラクターたちの不完全さが物語を生々しくしていたように思う。
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