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摩天楼 The Fountainhead 1949

摩天楼
The Fountainhead
(アメリカ 1949)

[製作] ヘンリー・ブランク
[監督] キング・ヴィダー
[原作] アイン・ランド
[脚本] アイン・ランド
[撮影] ロバート・バークス
[音楽] マックス・スタイナー
[ジャンル] ドラマ

キャスト

ゲイリー・クーパー
(ハワード・ローク)

パトリシア・ニール
(ドミニク・フランコン)

レイモンド・マッセー (ゲイル・ワイナンド)
ケント・スミス (ピーター・キーティング)
ロバート・ダグラス (エルスワース・トゥーヘイ)
ヘンリー・フル (ヘンリー・キャメロン)
レイ・コリンズ (ロジャー・エンライト)



概要

『摩天楼』(The Fountainhead)は、1949年公開のアメリカ映画。原作はアイン・ランドの同名小説で、ランド自身が脚本を手掛けた。監督はキング・ヴィダー、主演はゲイリー・クーパーとパトリシア・ニール。個人の信念と創造性を貫く建築家と、彼を取り巻く社会の対立を描いたドラマで、ランドのオブジェクティビズム(客観主義)思想が色濃く反映された作品となっている。

ストーリー

ハワード・ローク(ゲイリー・クーパー)は、既存の建築様式にとらわれないモダニズム建築を信じる天才的な建築家。しかし、彼の革新的な設計は保守的な建築業界に受け入れられず、彼は独立を選ぶ。ロークは妥協を許さず、自分の信念に反する建築を作るくらいなら仕事をしない道を選ぶ。

一方、ドミニク・フランコン(パトリシア・ニール)は、有力な建築評論家エルズワース・トゥーヒー(ロバート・ダグラス)の影響を受けながらも、ロークの才能に強く惹かれる。彼女は彼の理想に共感しながらも、社会の現実に絶望し、自らの感情を抑えようとする。しかし、ロークと彼女の間には強い愛と対立が生まれる。

ロークの親友であり、彼とは対照的に世間の評価を優先する建築家ピーター・キーティング(ケント・スミス)は、名声を得るためにロークの才能を利用しながらも、次第に彼に対する劣等感を募らせる。キーティングはロークに建築設計を依頼するが、彼の意図しない形で改変される。ロークは自身の建築が歪められることを許さず、ついに爆破という手段に出る。

裁判でロークは、自らの行為を正当化し、「個人の創造の自由を奪う社会は無意味である」と主張する。そして最終的に、彼の信念は認められ、ドミニクと共に摩天楼の頂に立つ。


エピソード

ゲイリー・クーパーのキャスティング
原作者アイン・ランドは、ローク役にゲイリー・クーパーを熱望していたが、クーパー自身は「自分には哲学的すぎる役」として躊躇していた。

パトリシア・ニールとゲイリー・クーパーの関係
本作の撮影中、二人は実生活でも恋に落ち、長く続く不倫関係を持つこととなった。

アイン・ランドの脚本へのこだわり
彼女は原作の思想を忠実に反映させるため、映画脚本の変更を拒否し、最終的に自ら脚本を執筆した。

原作の発禁騒動
小説『摩天楼』は当初、その過激な思想から多くの出版社に拒否され、後にベストセラーとなった。

裁判シーンの撮影秘話
クーパーの裁判での長台詞は、映画のクライマックスとして特に重視され、何度もリハーサルが行われた。

キング・ヴィダーの演出
監督はランドの思想を視覚的に強調するため、建築物の構図や光と影の演出にこだわった。

建築の美術デザイン
ロークの設計する建築は、当時のモダニズム建築を参考にし、実在の建築家フランク・ロイド・ライトがデザインの参考にされたと言われている。

ラストシーンの象徴性
ロークが摩天楼の頂上でドミニクを迎え入れるラストは、個人主義の勝利を象徴している。

製作当初の企画変更
ワーナー・ブラザーズは映画の脚本を柔らかいものにしようとしたが、ランドが強く反対。

撮影現場の緊張感
クーパーとニールの関係が周囲に知れ渡り、撮影現場では微妙な空気が流れていた。

ロークの爆破シーンのリアリズム
映画内の爆破シーンは実際にセットを爆破し、リアルな映像を追求した。


ランドのオブジェクティビズム哲学の影響
本作は後に、自由市場主義者やリバタリアンの間で特に評価されるようになった。


建築批評家たちの評価
映画に登場する建築は、当時のモダニズム建築界からも議論を呼び、フランク・ロイド・ライトが原作の影響を公言した。


映画のセットデザイン
ロークの建築を象徴する未来的なセットが作られ、撮影のために大規模な美術スタッフが動員された。


ランドの妥協のなさ
彼女は撮影中も細部にこだわり、監督やプロデューサーと衝突することが多かった。








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