ローマの休日
Roman Holiday
(アメリカ 1953)
[製作] ウィリアム・ワイラー/ロバート・ワイラー
[監督] ウィリアム・ワイラー
[脚本] イアン・マクラレン・ハンター/ジョン・ダイトン/ダルトン・トランボ
[撮影] フランツ・プラナー/アンリ・アルカン
[音楽] ジョルジュ・オーリック
[ジャンル] 恋愛/コメディ
[受賞]
アカデミー賞 主演女優賞(オードリー・ヘプバーン)/衣装デザイン賞/脚本賞
英国アカデミー賞 主演女優賞(オードリー・ヘプバーン)
ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(オードリー・ヘプバーン)
NY批評家協会賞 主演女優賞(オードリー・ヘプバーン)
オードリー・ヘプバーン(アン王女/アーニャ・‘スミッティ’・スミス)
グレゴリー・ペック (ジョー・ブラッドリー)
エディ・アルバート (アーヴィング・ラドヴィッチ)
ハートリー・パワー (ヘネシー)
ハーコート・ウィリアムズ (大使)
マーガレット・ローリングス (ヴェルベール伯爵夫人)
トゥリオ・カルミナティ (プロフノ将軍)
パオロ・カーリーニ (マリオ・デラーニ)
クラウディオ・エルメリ (ジョヴァンニ)
「ローマの休日」は、ウィリアム・ワイラー監督によるロマンティック・コメディ映画で、オードリー・ヘプバーンのハリウッドデビュー作であり、彼女を一躍スターに押し上げた。また、映画はアカデミー賞で3部門を受賞し、今なお多くの映画ファンに愛され続けている。
物語の主人公は、ヨーロッパの小国の王女アン(オードリー・ヘプバーン)。彼女は外交の公式訪問でローマを訪れているが、厳しいスケジュールに疲れ果て、王宮の束縛から逃れるために一夜の自由を求めてこっそり抜け出す。王女はローマの街を一人で歩き回るが、最終的にベンチで眠り込んでしまう。
その後、アメリカ人記者のジョー・ブラッドリー(グレゴリー・ペック)に発見される。ジョーは最初、彼女が王女だとは知らず、彼女を自分のアパートに連れて行く。しかし、翌日彼女が王女であることに気づき、独占記事を書くチャンスだと思い立つ。
ジョーは友人の写真家アーヴィング(エディ・アルバート)と協力し、アン王女との一日を密かに取材しようとするが、次第にアン王女との間にロマンチックな感情が芽生える。ジョーとアンはローマの名所を巡りながら、お互いに惹かれ合っていくが、アンには戻らなければならない運命が待っている。
オードリー・ヘプバーンの発見:
オードリー・ヘプバーンは、この映画でハリウッドデビューを果たし、一躍スターに躍り出た。彼女の自然な演技と魅力が観客を魅了し、アカデミー賞主演女優賞を受賞した。
ロケ地の魅力:
映画は実際にローマで撮影されており、美しいロケーションが物語のロマンチックな雰囲気を引き立てている。特に、スペイン広場やトレビの泉、コロッセオなどの名所が登場する。
グレゴリー・ペックの提案:
グレゴリー・ペックは、映画のクレジットでオードリー・ヘプバーンの名前を自身と同等に表示することを提案した。彼のこの提案が、ヘプバーンのキャリアに大きな影響を与えた。
ダルトン・トランボの貢献:
脚本家ダルトン・トランボは、当時ハリウッドの赤狩りブラックリストに載っていたため、正式なクレジットを受けることができなかった。彼の名前は後にイアン・マクレラン・ハンター名義で脚本賞を受賞したが、1993年に正式にトランボの名前に訂正された。
即興のシーン:
ペックが手を「真実の口」に入れるシーンで、手が食いちぎられたふりをするのは即興で、ヘプバーンの驚いた反応は本物だった。
衣装デザイン:
エディス・ヘッドがデザインした衣装は、映画の中でオードリー・ヘプバーンが着用することで、ファッション界でも大きな話題となった。
撮影の裏話:
映画の多くのシーンは実際の観光客がいる中で撮影され、特にスペイン広場のシーンは、観光客がヘプバーンを取り囲む中で行われた。
音楽の影響:
ジョルジュ・オーリックが作曲した音楽は、映画の感動的なシーンを一層引き立てている。特に、「バルカローラ」などの楽曲が映画の雰囲気を高めている。
文化的影響:
「ローマの休日」は、ロマンティックコメディの古典として、多くの映画やテレビドラマに影響を与えた。また、観光地としてのローマの魅力を世界中に広めるきっかけとなった。
「ローマの休日」は、そのロマンティックな物語、美しいロケーション、そしてオードリー・ヘプバーンとグレゴリー・ペックの名演技で観客を魅了し続けている。この映画は、ロマンティックコメディの傑作として、今なお多くの人々に愛される不朽の名作である。
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