ジャン・ギャバン
Jean Gabin
1904年5月17日、フランス・セーヌ・パリ生まれ。
1976年11月15日死去。享年72歳。
本名ジャン・アレクシス・ギャバン・モンコルジュ。
両親が芸人だったため舞台で歌手として活躍。
27歳の時映画デビュー。
ギャング映画で人気を得た。
ジャン・ギャバンは、1904年5月17日にフランスのパリ郊外、ミネルヴィルで生まれた。彼の両親はキャバレーの芸人であり、彼は幼少期から芸能界に親しんで育った。父親は歌手兼俳優で、母親も舞台女優だったため、ギャバンは自然と芸能の道を志すようになった。
ギャバンは18歳でパリの音楽ホール「フォリー・ベルジェール」で働き始めた。彼はここで舞台俳優としてのキャリアをスタートさせ、その後数年間にわたり、さまざまなレビューやキャバレーで経験を積んだ。彼の初期のキャリアは、軽いコメディやミュージカル作品が中心であった。
1928年頃に映画デビューし、その後まもなく映画界で注目を集めるようになった。彼の初期の映画は主にサイレント映画であり、その後のトーキー映画への移行期にも順応していった。1930年代には、多くの名監督とのコラボレーションが始まり、彼の演技力とカリスマ性が広く認知されるようになった。
1930年代後半から1940年代初頭にかけて、ギャバンはフランス映画界のトップスターとしての地位を確立した。彼の代表作である『望郷』や『大いなる幻影』は、国際的にも高く評価され、彼の名声を世界的なものにした。彼の演技は、内面の複雑さと深い人間理解を持ち合わせており、観客を魅了した。
第二次世界大戦中、ギャバンはフランスを離れ、アメリカに渡った。彼はハリウッドでいくつかの映画に出演し、さらにフランスのレジスタンス運動に積極的に参加した。彼の愛国心と勇気は多くの人々に感銘を与え、彼の人気は戦後も衰えることなく続いた。
戦後、ギャバンは再びフランスに戻り、映画界での活動を再開した。彼は様々なジャンルの映画に出演し続け、その多才な演技力で観客を魅了し続けた。特に、1950年代から1960年代にかけての作品では、彼の演技はますます円熟味を増し、彼のキャリアの絶頂期を迎えた。
彼は数多くの女優と交際し、その中にはハリウッドの大スター、マレーネ・ディートリッヒとの関係もあった。彼の私生活は常にメディアの注目を浴びていたが、彼は一貫してプロフェッショナルな姿勢を保ち続けた。
晩年、ギャバンはフランスの映画界で尊敬される存在となり、数多くの賞を受賞した。彼は1976年11月15日に心臓発作で亡くなったが、その遺産はフランス映画史において不朽のものである。彼の演技と作品は今なお多くの観客に愛され続けている。
[出演作品]
1928 24歳
Les lions
Ohé! Les valises
1930 26歳
Chacun sa chance
1931 27歳
メフィスト Méphisto
1933 29歳
トンネル Le tunnel
上から下まで Du haut en bas
1934 30歳
はだかの女王 Zouzou
白き處女地 Maria Chapdelaine
ゴルゴタの丘 Golgotha
1935 31歳
1936 32歳
どん底 Les bas-fonds
我等の仲間 La belle équipe
1937 33歳
愛慾 Gueule d’amour
大いなる幻影 La grande illusion
望郷 Pépé le Moko
1938 34歳
霧の波止場 Le quai des brumes
獣人 La bête humaine
1939 35歳
珊瑚礁 Le récif de corail
陽は昇る Le jour se lève
1941 37歳
曳き船 Remorques
1942 38歳
夜霧の港 Moontide
1943 39歳
逃亡者 The Impostor
1946 42歳
狂恋 Martin Roumagnac
1947 43歳
面の皮をはげ Miroir
1948 44歳
鉄格子の彼方 Le mura di Malapaga
1950 46歳
港のマリィ La Marie du port
1951 47歳
夜は我がもの La nuit est mon royaume
ベネツィア国際映画祭男優賞
1952 48歳
愛情の瞬間 La minute de vérité
快楽 Le plaisir
1953 49歳
ラインの処女号 La vierge du Rhin
1954 50歳
現金に手を出すな Touchez pas au grisbi
ベネツィア国際映画祭男優賞
われら巴里っ子 L’air de Paris
ベネツィア国際映画祭男優賞
フレンチ・カンカン French Cancan
1955 51歳
その顔をかせ Le port du désir
筋金を入れろ Razzia sur la Chnouf
首輪のない犬 Chiens perdus sans collier
地獄の高速道路 Gas-oil
1956 52歳
ヘッドライト Des gens sans importance
殺意の瞬間 Voici le temps des assassins
罪と罰 Crime et châtiment
パリ横断 La traversée de Paris
1957 53歳
医師 Le cas du Dr Laurent
赤い灯をつけるな Le rouge est mis
1958 54歳
レ・ミゼラブル Les Misérables
殺人鬼に罠をかけろ Maigret tend un piège
夜の放蕩者 Le désordre et la nuit
可愛い悪魔 En cas de malheur
大家族 Les grandes familles
1959 55歳
放浪者アルシメード Archimède, le clochard
ベルリン国際映画祭男優賞
サン・フィアクル殺人事件 Maigret et l’affaire Saint-Fiacre
子供たち Rue des Prairies
1960 56歳
ギャンブルの王様 Le baron de l’écluse
1961 57歳
親分は反抗する Le cave se rebiffe
1962 58歳
冬の猿 Un singe en hiver エプソムの紳士 Le gentleman d’Epsom
1963 59歳
地下室のメロディー Mélodie en sous-sol
メグレ赤い灯を見る Maigret voit rouge
1965 61歳
皆殺しのバラード Du rififi à Paname
1967 63歳
太陽のならず者 Le soleil des voyous
パリ大捜査網 Le pacha
1968 64歳
刺青の男 Le Tatoué
1969 65歳
シシリアン Le clan des Siciliens
1970 66歳
ジャン・ギャバン/ドン La horse
1971 67歳
猫 Le chat
ベルリン国際映画祭男優賞
1973 69歳
事件 L’affaire Dominici
暗黒街のふたり Deux hommes dans la ville
1974 70歳
愛の終わりに Verdict
1976 72歳
脱獄の報酬 L’année sainte
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