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[男優] ジョン・バリモア John Barrymore 出演作品一覧|プロフィール|エピソード

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ジョン・バリモア
John Barrymore

1882年2月14日、アメリカ・ペンシルヴァニア・フィラデルフィア生まれ。
1942年5月29日、アメリカ・カリフォルニア・ロサンゼルスで死去(肝硬変・肺炎)。享年60歳。
本名ジョン・シドニー・ブライス。
30歳の時端役でスクリーン・デビュー。
ハリウッド創生期の伝説の名優。
ドリュー・バリモアの祖父。

今回ご紹介するのは、その完璧な横顔から「ザ・プロファイル(至高の横顔)」と称えられ、無声映画からトーキーへと移り変わる激動の時代に君臨した伝説の俳優、ジョン・バリモアです。

彼は、名門演劇一家バリモア家の末弟として生まれ、類まれな美貌と天性の演技センスで演劇界と映画界の両方を席巻しました。舞台で培われた重厚な演技力と、貴族的な気品、そしてどこか退廃的な色気を漂わせた彼の存在感は、当時の観客に強烈なインパクトを与えました。華やかな名声の裏で、破天荒な私生活や孤独を抱えながらも、銀幕に刻みつけた圧倒的なスターとしてのオーラは、今なお「偉大なる俳優」の代名詞として語り継がれています。


至高の横顔と、劇的な情熱。ジョン・バリモア、銀幕の貴公子

ジョン・バリモアの魅力は、神話の彫像を思わせる端正な容姿と、一瞬にして空気を変えてしまう変幻自在な表現力にあります。

彼は、高潔な英雄から狂気を孕んだ悪役までを、その知的な眼差しと力強い台詞回しで完璧に演じ切りました。舞台俳優としての誇りを持ち続けながらも、映画という新しい表現媒体において、いかに自身の魅力を視覚的に伝えるかを熟知していた彼は、まさに「魅せる」ことの天才でした。酒と女性を愛し、時に破滅的な生き方を選んだ彼の人生そのものが、一篇のドラマのような激しさと美しさに満ちていたのです。


✦ PROFILE & BACKGROUND

  • 本名:ジョン・シドニー・ブライス
  • 生涯:1882年2月15日 ~ 1942年5月29日(享年60歳)
  • 出身:アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア
  • 背景:俳優一家に育つも、当初はイラストレーターを目指していました。後に舞台へ転向し、「ハムレット」で史上最高の評価を得てトップ俳優へ。1920年代から映画界でも爆発的な人気を博しました。
  • 功績:無声映画時代に「世界最高の二枚目」としての地位を確立し、トーキー以降もその豊かな声量と演技力で第一線を走り続けました。後のドリュー・バリモアへと続く、ハリウッド随一の家系を象徴するスターです。


🏆 主な功績・活動

出来事備考
1922舞台「ハムレット」ニューヨークとロンドンで記録的な大成功を収める
1926「ドン・ファン」初の音響システム導入作で主演を務める
1960ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム映画への貢献を称えて星を授与

1. 無声映画の金字塔:ドン・ファン

ジョン・バリモアの美貌が「伝説」となった、初期の代表作です。世界一の色男ドン・ファンを演じ、その情熱的なキスシーンや華麗な剣戟で観客を熱狂させました。

この作品は、ワーナー・ブラザースが開発した音響システム「ヴァイタフォン」を初めて本格的に導入した記念碑的作品でもあります。セリフこそありませんが、音楽と同調して動く彼の圧倒的な存在感は、トーキー時代の到来を予感させるに十分な輝きを放っていました。

2. 狂気と美の融合:狂える悪魔

一人の男の二面性を描いた名作において、見事な演じ分けを披露しました。特殊メイクに頼るだけでなく、指の動きや表情の歪みだけで人格が変わる瞬間を表現した彼の演技は、当時の観客に凄まじい恐怖と感動を与えました。

善意に満ちたジキル博士の美しさと、本能剥き出しのハイド氏の醜さ。その両極端な役柄を自在に行き来するバリモアの姿は、彼が単なる二枚目スターではなく、恐るべき実力派俳優であることを証明しました。

3. オールスターの狂宴:グランド・ホテル

MGMが放った超大作の群像劇です。バリモアは、落ちぶれた貴族の泥棒ガイゲルン男爵を演じ、グレタ・ガルボ演じる孤独なバレリーナとの切ない恋を繰り広げました。

「一人になりたいの」というガルボの有名なセリフに対し、優しく、そして哀愁たっぷりに応える彼の演技は、作品に深い情熱をもたらしました。実の兄ライオネル・バリモアとの共演も見どころであり、名門一家の意地と誇りを感じさせる洗練された演技が光ります。

4. 都会派コメディの真骨頂:特急二十世紀

ハワード・ホークス監督によるスクリューボール・コメディの傑作です。バリモアは、かつての恋人である女優(キャロル・ロンバード)を再び自らの舞台に引き戻そうと画策する、傲慢で芝居がかった演出家を怪演しました。

これまでのシリアスなイメージを自らパロディ化するような、エネルギッシュで滑稽な演技は圧巻。早口の台詞回しと大袈裟なジェスチャーで笑いを誘い、彼が喜劇においても超一流の才能を持っていたことを世に知らしめました。

5. 最後の輝き:晩餐八時

再び豪華スターが顔を揃えたアンサンブル・ドラマです。バリモアは、かつての栄光を忘れられず、酒に溺れ破滅していく落ち目のスターを演じました。

皮肉にもこの役は、当時の彼自身の私生活を鏡のように映し出したものでした。自らの「衰え」さえも演技の糧とし、カメラの前で曝け出したその姿は、観る者の胸を締め付けるような悲哀に満ちています。自らの人生を役柄に投影させ、最後まで俳優として生きようとした彼の矜持が刻まれた一作です。


📜 ジョン・バリモアを巡る知られざるエピソード集

1. 「至高の横顔」のこだわり

自分の顔の左側が最も美しいと信じていた彼は、撮影現場でもそのアングルに並々ならぬ執着を見せました。カメラの位置や照明、共演者の立ち位置に至るまで、常に自分の左側がベストに見えるよう要求したと言われています。その完璧主義が、銀幕における彼の神秘的な美しさを守り続けていたのです。

2. 舞台を愛した「ハムレット」の魂

映画で巨万の富を得ても、彼の心は常に舞台にありました。特に1922年の「ハムレット」は、101回連続公演という当時の記録を塗り替え、批評家から「史上最高のハムレット」と絶賛されました。映画俳優たちが彼を「尊敬すべき先達」と仰いだのは、こうした舞台で磨かれた本物の実力があったからです。

3. 破天荒な友情と酒

彼は当時のハリウッドでも有数の酒豪であり、エドワード・G・ロビンソンやクラーク・ゲーブルらとも親交がありました。しかし、深酒によるトラブルも多く、セリフを覚えられなくなった晩年には、カメラの視界に入らない場所に巨大な「カンニングペーパー(台本カード)」を置いて撮影に臨んでいました。そんな状況下でも、いざ本番となれば完璧な演技を見せる彼の天才ぶりは、周囲を驚嘆させました。

4. メアリー・アスターとの情熱的な恋

無声映画時代、若きメアリー・アスターと共演した彼は、彼女の美しさに一目で恋に落ちました。彼女に演技の奥深さを教え、スターとしての階段を上る手助けをしたのもバリモアでした。二人のロマンスは当時の大きな話題となり、彼の影響は彼女のその後の知的なキャリア形成にも大きな影を落としました。

5. イラストレーターとしての才能

俳優になる前、彼はプロのイラストレーターとして新聞社で働いていた時期がありました。その美的センスは生涯衰えず、脚本の隅に描かれたスケッチや、友人たちに送った手紙の挿絵は玄人はだしの腕前でした。彼の演技における「視覚的な美意識」は、この画家としての鋭い感性から生まれていたのかもしれません。

6. 銀幕に捧げた最期

晩年は健康を害しながらも、ラジオ出演や端役などで活動を続けました。1942年、ラジオ番組の放送中に倒れ、60歳でこの世を去りました。死の直前までジョークを絶やさず、俳優としての役割を演じきろうとした彼の姿は、まさにバリモア家の名に相応しい劇的な幕切れでした。


📝 まとめ:至高の光と影を歩んだ映画人生

ジョン・バリモアは、神聖なまでの美貌と野性的な情熱を併せ持ち、ハリウッド黄金期の幕開けを華やかに飾った俳優でした。

その歩みは、名門一家の期待を背負いながら、伝統的な舞台演劇と新しい映画芸術の両方で頂点を極めるという、あまりに濃密なプロセスでした。私生活での荒波や時代の移り変わりに翻弄され、時に自らを削りながらも、スクリーンの中では常に高潔な「ザ・プロファイル」を保ち続けました。

60歳で幕を閉じたその生涯は、銀幕を彩った比類なき美しさと、最期まで演じることを手放さなかった、ひとつの壮絶で完成された俳優としての映画人生でした。



[出演作品]

1912   30歳


THE WIDOW CASEY’S RETURN
A PRIZE PACKAGE

1920   38歳

1922   40歳

名探偵シャーロック・ホームズ     Sherlock Holmes

1924   42歳

ボー・ブラムメル     Beau Brummel

1926   44歳

海の野獣     The Sea Beast

1927   45歳

マノン・レスコウ     When a Man Loves / Manon Lescaut
我若し王者なりせば     The Beloved Rogue

1928   46歳

テンペスト     Tempest

1929   47歳

1930   48歳

海の巨人     Moby Dick

1931   49歳


狂へる天才     The Mad Genius

1932   50歳


グランド・ホテル     Grand Hotel


地方検事     State’s Attorney
愛の嗚咽     A Bill of Divorcement

1933   51歳

ハムレット     Hamlet, Act I: Scenes IV and V
トパーズ     Topaze
維納の再会     Reunion in Vienna


夜間飛行     Night Flight

1934   52歳

1936   54歳

1937   55歳

ミッドナイト     Midnight

1938   56歳

1941   59歳

ハリウッド・スパイ騒動     World Premiere

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